エロゲ日記(仮)

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『夏ノ鎖』感想、考察

8927字 読了時間約22分

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作品名 夏ノ鎖
ブランド クロックアップ
シナリオ 浅生詠
原画 のりざね
発売開始日 2016/3/25
定価

4400(パケ)/3800(DL)/1900(ベストプライスDL)税抜き

公式ジャンル

灰色の日常を覆す女子学生姦禁屈従ADV

パッチやアペンド 尾久野晋二肉声ボイス変更パッチ※
ジャンル シナリオゲ 抜きゲ
属性 凌辱 監禁 調教 夏
クリア時間 約4時間
DMMダウンロード版 リンク

※前半、主人公はボイスチェンジャーを使います。

公式紹介

夏休みがはじまる。

進学しても何も変わらなかった。
去年も、今年も、来年もずっとこのまま、何も変わらないのだろう。

灰色の日々。

この鬱屈にせめて理由があればいいのに。
くだらないばかりの毎日は、この感情に、理由も名前も与えてくれない。
だから俺は、自分からこの灰色の世界を変えてやるのだ。

ずっと思い描いていたことを、今こそ実行する。
計画は完璧だ。
あとは、この計画の中心にハメ込むに相応しい女を選ぶだけ――。

誰でもいい。けれど、つまらない女でない方がいい。
そう、たとえば……前を歩く、あの長い黒髪の女とか。

白く輝くような夏休みなど要らない。
俺が欲しいのは、女の悲鳴と絶望で黒く塗りつぶされた日々だ。

おすすめする人


後味のある一日でできるシナリオゲ兼抜きゲです。

監禁をしてみたい人。気になる女子を監禁する妄想をしたことのある人。(呼んだ?

学生時代に気になる女子がいて、でも自分なんかがその女子と付き合えるわけがないと思った人。(今絶対呼んだよな

思い入れ、事前印象


2017年の八月に買いました、DMMが夏休み割引をやってたので気になっていたゲームを一気に数万円分買ったが、その中の一本です。最初は何の情報もなくただ監禁ゲか、ということだけで買ったが…抜きゲだと思っていざやってみたらシナリオゲだった時の衝撃は言葉にできんよー。抜きゲだと思ってシナリオゲだったやつに外れなし。

後で知ったがシナリオの浅生詠さんはあのユーフォリアのシナリオを担当した方です。ちなみにユーフォリアはエロゲ初心者にお勧めの作品ですので是非前情報なしでやってみてください、入門の一作として知られています。

 

感想(これより先は結構なネタバレあり)

[ストーリー&エンディング] 黒字は内容の要約(多分できてない)、赤字は感想

心の中でクラスメイトを馬鹿にしながら下校する主人公。クラスメイトも、親も、何もかもに嫌気を差す主人公は鬱憤をたまらせてきた。

ついに夏休みに入ったので、嫌な家から出て唯一好きなじいちゃんの家で夏休みを過ごす。祖父は病気で入院、母親はその看病、父親は仕事で忙しい、兄は上京した大学生。邪魔が入らなくなった主人公は以前から練っていた計画を遂行する。自分の世界を作る計画を。

「誰でもいいと思っていたが…」「特に思い入れはない」と語っていた主人公が選んだターゲットはかつて同じ学校に通っていた白井美月。金持ちの家に生まれ、バイオリンをやっており、卒業した後は音楽を学ぶためにわざわざ遠い音楽学校へ通い主人公と別の学校になってしまった。

などの情報を田舎の酒場などで手に入れながら(どういう顔でだろう)、美月を捕らえるタイミングを窺う主人公。ついにそのタイミングが見つかり実行に移る。

台風が来、雨風のなかでバイオリン教室から遅く帰る美月が乗るはずのバスを待つ主人公。美月の足にじいちゃんの持ってる謎の薬を打ち、主人公と祖父しかその存在を知らない地下に連れ込む。ひとまずの成功を喜ぶ主人公。マスクとボイスチェンジャーをつけ、目の前の美少女から目を離せずに欲望を次々とぶつけていくが、美月はそんな主人公をにらみつけるそぶりを見せる。睨みつけられた主人公は自分の”緻密”な計画通りじゃないことに混乱し、怒る、美月に暴力をふるう。計画にあったことのいくつも怒り故に遂行できなかった。

翌日になり、前日の失態を反省しながら、ニュースを見る主人公。そこでうれしい知らせを耳にする、台風があまりにも激しかったので土砂崩れが起きてしまっていた、失踪した美月は土砂崩れに巻き込まれたとして捜査されていると。

主人公からアブノーマルな調教を受けながら時々自分に関するニュースを聞かされ、食事も寝床もまともに与えられなかった美月。無理やり服従をさせられる。

主人公が美月を選んだには理由がないはずもなく、同じ学校だったころ。学校でアイドルの顔にグラドルの体を合わせるコラージュが流行っていた。コラージュに長けた主人公はクラスメートの顔なども依頼された。愚かなことにもっとリアルな写真を求めるようになった主人公は放課後女子更衣室に潜り込み下着の写真を撮る行動に出た。写真を撮り終え更衣室から出た主人公は廊下の向こうに美月を目にする。頭が真っ白になった主人公は美月の視界からから一目散に逃げだした。家に帰った主人公は絶望した、自分は明日になれば周りから嫌われ、社会的に死ぬ。そんな妄想をしながら主人公は翌日登校した、しかし現実は妄想とは全く違い、周りの人もいつも通りに接してきた。冷静になって考え直せば、更衣室のドアの影がうまく自分の身を隠し、遠くにいた美月は自分はだれか確認できなかっただろうが、悩み損ねた幼稚な主人公は美月に逆恨みをした、自分を路傍の石としか見てない美月を。自分はいつも美月を目で追っていたのに。

アブノーマルな調教は続く、そんななか、美月はついに逃げ出すチャンスを見つけ必死に外に逃げようと走っていると人の声が聞こえてきて、泣き叫ぶようにして助けを求めた。だが目の前に立っているのは主人公で先ほどの声は映画から録音されたものだった(なかなか面白いことをする、七縦七擒的なやつですな)。服従が偽りのものであったことに怒りを感じた主人公は美月の首を絞め、正気を失いつつある。美月を部屋に連れ戻したのち、スタンガンを出し美月の右太ももと右胸に刺し、放電する。(ここの美月の痛がる泣き叫ぶ声がなかなかのみものでした)許しを請う美月、それを信じない主人公。ここで初めての選択肢が出る。

殺害ED

右胸に放電を続ける。

美月の悲鳴が止まり、主人公も少し冷静さを取り戻し、地上に戻った。翌日になり、美月の様子を見に行くが、美月はもう動かなくなった。

死んだ美月を確認した主人公は驚き、悔やみ、恐れ、混乱した。自分の世界は壊れた、主人公は自殺を選んだ。

夏休みが終わり、帰ってこない息子を心配に思った母親が祖父の家に来て死体を発見した。

この事件を報道したニュースには「偶然に助けられた犯行」と。

スタンガンを止め、ひとまず美月を許した主人公。マスクを脱ぎ、美月に素顔を見せたがそこには驚きが全くなかった。やはり美月は自分を路傍の石としか見てないんだなという思いが主人公の加虐心を強めた。

ニュースで美月の親は遅くまで家にいないことを確認した主人公は台風が再び過ぎる夜に美月の服装を盗みに行くことを計画し実行した。主人公は計画通り盗みを成功させた、だが家から出た瞬間運悪くも帰ってきた美月の父親に見つかり、山のほうへと逃げる主人公、追い詰めてくる美月の父親とボランティアの人々。自分の不運に怒り狂う主人公。ここで再び選択̪肢。

通常ED/トゥルーエンド

すべては自業自得だと悟った主人公。それでもなんとか追手から逃げきれた。山小屋に入り、雨に濡れた服を着つづけたせいか寒さに身を震わせた。風邪を引き、朦朧とした意識の中で地下に戻り、誰かから声をかけられて、水を持ってきてくれ、手を握ってくれた。熱が引き、意識を戻した主人公の視界には美月がいた。美月が看病してくれたのだ。聞いたことのある曲を口ずさむ美月。監禁されていた間、美月はいつも部屋の片隅に座り、遠くを見つめながら記憶にある曲を口ずさんでいた。それが美月の心の支えになっていた。美月は主人公に服従していなかったことを思い知らされた主人公は美月を解放した。美月が消えたことを確認し、自殺を決意する主人公。

病院の一室で目が覚めて、美月の通報によるものだと知って、俺は泣いた。

助かったから泣いたわけではない。

救われたと思って泣いたわけではない。

生きていかなくてはならないことを知って泣いたのだ。

懲役八年となった主人公。少年刑務所に入り、模範囚として居続けた。六年目に仮釈放され、藤枝という保護司のもとに預けられ一緒に農業をやらされた。藤枝は美月の父親から頼まれてこのことを引き受けてたことを知り、主人公は心の奥で藤枝と美月の父親の滑稽さをあざ笑った。主人公は一般的な生活を与えられた。五年かけて、ばかにしていた藤枝をおっさんと呼ぶようになり、おっさんが自分よりも賢いことに気付いた。本当に滑稽だったのは幼稚な自分であることにも気づかされた。良心の呵責を受けるようになった主人公はこれこそが美月の父親の復讐だとわかった。

三十になった主人公はおっさんにタクシードライバーになりたいと告げ、許可をもらいタクシードライバーになった。

おおよその自由を手に入れた主人公は美月の人生の追跡を始めた、その理由は主人公にもわからないというが、本当は美月のインタビューでの発言に自分のことを、あの夏のことを見つけ出したいからだ。しかしそんなものはどこにもなかった。

タクシードライバーになって十年、いつものように仕事をこなす主人公にいつものような客が車に乗った。ルームミラーを確認した主人公の心臓が大きくはねた。間違いなく美月だ。、あれから二十年ほど過ぎているのに、美月は相変わらずあの夏の美しさを保っていた。一方、主人公は変わってしまった、美月があの夏の主人公であることを認識できないほど見た目も心も変わってしまった。

 

普通の監禁ゲでは間違いなくバッドエンドだろう、捕まってからの話もないだろう。しかしこの作品は捕まってからの話もする、二十年も。主人公は生まれ変わった、あの頃の自分がどれほど愚かで幼稚だったことに気づいたのだ。美月は右胸と右太ももの傷を見るたびあの夏のことを思い出すのだろう、しかし彼女は「乗り越えた」のだ、あの夏を。そして見事に自分の夢をかなえた。主人公も自分のやりたいことが見つかり、美月との正しい距離感を見つけたのではないだろうか。

隷従ED

美月を自分のものにするべく、祖父が教えてくれた謎のキノコを使う。媚薬であるキノコを食べさせられた美月は理性を失い自らセックスを求めるようになった。

美月の両腕を縛り、食べ物も少ししか与えないようにし、衰弱させていった。

ある日突然美月に盗んできたドレスを着させ、久しぶりにバイオリンを持たせて弾かせた。長期にわたる両腕の束縛と栄養失調は美月の両腕を痩せ細させた、そんな腕ではもちろんバイオリンはもう弾くことができなくなってしまい、美月に大きなダメージを与えた。

これに続いて、主人公は美月を縛り上げ、バイオリンを床から立て、その先端を美月のまんこに入れた。しょんべんと愛液と精子とがバイオリンにぶちまけられたのち、主人公は美月にバイオリンを破壊するように命令する。美月は拒絶した。主人公は美月の目の前でバイオリンをたたきつけ、完全に壊した、美月の目から光が完全に消えた。

地下で美月にフェラをさせる主人公。主人公は自分の世界の創造に成功した、そしてボテ腹になった美月にはもう飽きた。次の女を捕まえようとする主人公、しかし、殺害EDの最後のニュースのように「偶然に助けられた犯行」はそう簡単と続かないだろう

一番抜きゲらしいED、が、普通の監禁ゲではハッピーエンドだがこれはどう見てもバッドエンドだ。殺害エンドでは美月が死んで通常エンドでは美月が逃げ出した後に自殺したが、このエンドでは美月が死んでも主人公は何も思わないだろう。主人公は成功したと勘違いをし(そもそも成功はあるのか)、幼稚で愚かなまま一生生きていくのだろう、救いはもうない。

愛玩ED

編集した音声とコラージュ写真を使い美月の心の支えを壊しつつ、おいしい食事や温かい寝床、そしてバイオリンも与え自分に隷従させようとした主人公。見事に成功し美月は次第に従順になっていく、主人公も美月に対し愛情を感じ始めた。

自信がついた主人公は地上の世界での生活もうまくいき、志望校にも合格し上京する。

新しい家についた主人公はスーツケースの中から首輪付きの美月を出した。美月はバイオリンも弾かなくなり、やせ細ったが主人公には従順のままだった。「こほ…けこ…」と美月は咳をよくするようになったが、大丈夫、二人には幸せな生活が待っている。

これも一般的な監禁ゲではハッピーエンドだろうが、これまたうまくいかないもんだ。美月はおかしな咳をするようになり、むろん病院に連れて行くわけにはいかない、そう遠くない未来に主人公があの頃のように怒り狂うのが目に見えている。普通監禁したら病院はおろか、外に出すわけにもいかないだろう、病気になるのは当然だ、この作品はそれをちゃんと書いた、それだけだ、(おそらく)どの作品も書けないそれだけを。

最後のCGの美月がかわいい。前髪が伸びていて、黒上ロングがセーラー服が最高に合う。肌がさらに白くなり妖艶とは違うが病的な美しさを感じる。かわいい。すき。

未遂ED

以上のすべてのEDを見てから発生する。台風の夜、美月の後ろから近づき薬を打とうとするが、一瞬迷う。美月が振り返る、慌てる主人公、とっさに「か…傘を」と言い自分は傘なんて持ってないことに気付き、逃げ出す。

計画に失敗した主人公は灰色の人生を送り続け、受験に失敗し、コネで地元に就職した。

数年後、美月はコンクールに入賞し、活躍していた。美月も参加するといううわさを聞き同窓会に参加した主人公。自分は今でも彼女にとっては路傍の石だろうと嘆き、遠くから彼女を眺める。

主人公の声に気付き、話しかけえてくる美月。どうやらあの台風の夜のことを覚えていて、主人公と少し会話を交わした。他の知り合いに呼ばれそこへ向かう美月。「あ、じゃあ....」「うん、それじゃあ」いまでも主人公は美月にとっては路傍の石だろう、けれど…

すごいEDです。監禁ゲと言っておいて、監禁する前に失敗する。

けれどの後には何が続くのでしょうか。諦めがついたのではないか。

以前とあるサイトでこのゲームに対するコメントで「このゲームは一言に要約するともてない奴は好きな女子とセックスするには監禁するしかない。」というような一言しかないコメントがあった。一理ある、と思った。自分も昔好きな女子がいた、一つ上の学年で廊下で会うたびにかわいいなと思った、寝る前にもしその子が私のそばにいたらなと思ったこともあった。話しかける勇気はなかった。なぜなら同じクラスの女子によるとその子は一つ上の学年のとある金持ちの男子が好きらしい。私の家は決して貧乏ではないが裕福とは程遠い。ガキだった俺はひどく劣等感を覚えた。それからその子が好きということは心の奥に閉じ込めた。自分はその子とは違う世界にいるんだと自分を納得させた。俺はあきらめることを覚えたと同時に、劣等感も覚えた。

主人公はなぜ普通に告白をしなかったのか。上に書いてることが答えだろう、劣等感は好きという気持ちを変えた、告白は同等の者同士しかできない、違う世界にいる美月と付き合うことはありえない、だから自分の世界を作り、そこに美月を監禁するしかない。

考察

監禁は難しい。殺害EDでは自殺をした。通常EDでは社会復帰はできたもののあの夏の出来事は永遠に消えないだろう。隷従EDでは美月のことを忘れることはできたが、人間として落ちてしまった。愛玩EDでは美月を鎖で縛りつくことができたように見えたが主人公もまた同じように縛り付けられていた。

意味は違えど、未遂ED以外はすべて監禁に失敗した。もしすべてのEDを主人公が知っていたら、どれを選ぶのだろう。

夏ノ鎖に縛り付けられたのは主人公ではないか。そして唯一美月のことを忘れ、真っ当な人生を歩めるのは未遂EDだけだろう。

 

[キャラクター]

ほぼ主人公とヒロインの二人で物語の大半が進められますので、この二人だけで。

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白井 美月(しらい みつき) CV:葵時緒

身長:161センチ バスト:Dカップ

私立星和学園音楽科1年生。
すこしだけ大人びた空気を纏う美少女。
涼やかなまなざしと、ストレートロングの黒髪が美しい。
自分の世界を持っていて、好んで一人でいることはないものの、一人でも平気な性格。
ほっそりとして見えるが、着やせするタイプ。処女。

アブノーマルな調教を受けるも部屋の片隅で遠くを見つめるヒロイン、健気で美しい。

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尾久野 晋二(おくの しんじ) CV:刺草ネトル
身長:170センチ

公立九々治学園1年生。物語の主人公。
特にはっきりした理由もなく、日々の鬱屈を溜め込んでいる少年。
自意識過剰で、被害妄想気味なところがある。根拠の無い自信の裏返しでもある。
両親と兄弟二人の四人家族。一人暮らしの祖父の家に入り浸っている。
計画という名の妄想をノートに書き綴り、いつか実現するのだと、暗い情熱を滾らせている。

  • 「トレーニングすれば強くなれる」、「誰もできないことを成し遂げる。」と思うような中二病。(恥ずかしながら)
  • 「女は強姦されると濡れる/監禁されると心が折れる」というようなAVかなんかで得た知識。(これはさすがに…)
  • 親はまじめで自分が思うように生活できない。だから休みになると好きなじいちゃんの家で過ごす。(自分にも同じ時期がありました)
  • うまくいかないことが少しでもあると何かに怒りをぶつける(実家の壁に空いてる穴は元気かな)

となかなか自分と重なる点が多かった。おまけ要素にも書いたが、スタッフコメントで主人公に共感するところがあると数人のスタッフがコメントしていた。このゲームの大きな魅力の一つに主人公に共感できるところが挙げられるだろう。

ほかにも共感できる点として

  • 美月を美少女と言い、同じクラスだったころおかずにした。(ノーコメント)
  • 美月のコラージュを何度も頼まれたが全部断った。(好きな子の話になると黙る)

最初に、「誰でもいいと思っていたが…」「特に思い入れはない」と言っていた美月だが、間違いなく好意を抱いていただろう。なんの理由もなくかつてクラスメイトだった子を監禁するはずはない、なんなら自分の世界を作りたいことよりも美月を自分のものにしたかったのではないだろうか。自分のことを全く見てくれなかった美月に対するゆがんだ感情が主人公の世界を灰色にしていったのではないか。

「あのほっそりした指で、さぞかし美しい音楽を奏でるのだろう。

俺の興味のない、よくわからない、ご立派で高尚な音楽を。」

「今頃あいつは、バスの中にいるのだろうか。

イヤフォンで俺の知らない美しい音楽を聴きながら、楽譜を見ている。」

というように高尚な美月に対する嫉妬と灰色の世界に住む自分を卑下する傾向がみられる。美少女の美月は裕福な家に生まれ、温かい家庭で育てられ、高尚なバイオリンを幼少のころから弾き、主人公には訳の分からない美しい音楽を奏でる。そんな届かない存在である美月を主人公は監禁という手を使わなければ接触できなかっただろう。

[テキスト&CG]

主人公のねじ曲がった思考がよく表現されていた。緊張や怒りも。幼稚で懐かしい思考回路も。

背景のCGによってテキストの表示形式は違います。重要なCGは画面下にテキストが表示されますが、さほど重要じゃないCG(主人公の独白)は画面全体にテキストが表示される。

サムネ画像からわかるように絵はすごくきれいです。このきれいなCGを見てくれ!というようにCGの拡大機能があります。

[BGM]

重々しく鬱屈な雰囲気なものが大半を占めますが内容もそうなのでマッチングしていてよかったです。鑑賞にBGMがないのはとても残念です。

[主題歌]

  • rainy day

作詞の一人がシナリオの浅生詠さん。通常エンドの主人公の心情について書かれています。

[エロシーン]

ヒロインは監禁ゲにしては珍しく基本最後まで抵抗します。

軽めのスカトロ、媚薬(謎のキノコ)、ボンデージ、ハメ撮り、ガチめのイラマチオ、アナルプラグ、バイオリンと少々マニアックなものが見られます。この辺の好みで抜きゲかどうかが決まります。

主人公の声がバリバリ入ってます、嫌な人はミュートしてください。

汗の飛び散る表現がなかなか良かったです。

[システム]

必要な機能は全部揃ってます、スカトロやアヘ顔の規制もできます。

個々のセーブデータとは別に合計のプレイ時間がわかるのは大変助かる。

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恥ずかしながら私はこのゲームで初めて緊急回避用ダミー画像を知りました、なかなか粋なもんですな~

[おまけ要素]

全エンディング見た後にスタッフコメントが見れます。エロゲにスタッフコメントを付けるのを義務付けたい。

主人公、ヒロインと藤枝のおっさんのコメントはボイスだが、主人公のコメントはBGMが大きすぎて聞きづらかったです。スタッフが次々と主人公に共感する部分があると発言してます。

また、阿久津監督がシナリオの浅生さんに対し「幸い何も起こらずに済んだEDもあるといいな」と言ったのが未遂EDを誕生させたのではないじゃと想像を掻き立てられます。

全エンドを見たのち、タイトル画面の画像とBGMが変わります、粋スギィ。

[まとめ]

クリア時間の二倍以上の時間を使い、ストーリーの要約に結構の時間を費やしてしまった、むかし苦手の作文を期限に間に合わせるように書いていたことを思い出す。整理して書いてるといろんなことに気付かされる、ブログをやってよかったとつくづく思う。ストーリーをこれほど細かに要約することはこの先ないだろう。感想も自分の思ったことをすべて書くべく、部屋の中を歩き回ったりもしたが、書きたいことはすべて書けたと思う。ひどい要約は浅生詠さんには申し訳ないし、駄文長文はさぞかし読みにくかっただろうがどうか許してほしい、このゲームが好きだから。