3175字 読了時間約8分
作品名 | 沙耶の唄 |
ブランド | ニトロプラス |
シナリオ | 虚淵玄 |
原画 | 中央出口 |
発売開始日 | 2003/12/26 |
定価 | 4800/2300(windows10ダウンロード版) 税抜き |
公式ジャンル | サスペンスホラーADV |
パッチやアペンド | なし |
ジャンル | シナリオゲ |
属性 | ホラー 純愛 |
クリア時間 | 約3時間 |
DMMダウンロード版 リンク |
公式紹介
爛れてゆく。何もかもが歪み、爛れてゆく。
交通事故で生死の境をさまよった匂坂郁紀は、
いつしか独り孤独に、悪夢に囚われたまま生きるようになっていた。
彼に親しい者たちが異変に気付き、
救いの手を差し伸べようにも、
そんな友人たちの声は決して郁紀に届かない。
そんな郁紀の前に、
一人の謎の少女が現れたとき、
彼の狂気は次第に世界を侵蝕しはじめる。
おすすめする人
純愛系が好きな人にはぜひやってもらいたい。エロゲの有名作でもあるので、エロゲが好きって名乗るならやったほうがいいのではないかと思う。
思い入れ、事前印象
2018年の7月に買いました。管理人にしては珍しく割引してない状態で買ったエロゲ。結構前から本作を知り、ぜひやりたいと思っていたがなかなか買う機会がなく、やれずにいたが、息抜きに新しいエロゲでも買おうと思っていた時にちょうど値段的に買えたので買いました。
事前にネットでいろいろと評判を見た際、多少のネタバレを食らいましたが、この作品はネタバレを食らっても大丈夫なほうである。とはいえ、気になった人はネタバレを食らう前にやっておきましょう。
感想(これより先はネタバレあり)
[ストーリー]
手塚治虫さんの火の鳥のパクリだとかオマージュだとかという情報を聞いたことがありますが、自分は火の鳥を読んだことがないのでノーコメント。個人的にパクリとオマージュを分ける境界線はその作品は面白いかどうか、またそのアイデアはその作品のウエイトをどれほど占めているかにあると思う。
グロ耐性は結構あると自負していた管理人だがさすがに最初のシーンはきつかったです、ヘッドフォンが…でもそのあとのホラーと思われる要素がいまいちパットしませんでした
ストーリー自体は短く三時間ほどのプレイで終わりました。物語には集中できるほどのCG、BGM、SE、テキストであったが、終わった後はどこか物足りない感じがありました。
[エンディング]
エンディングの名称はどこかで見たやつを使います、たぶん本編やればどれのことを指しているかはわかるだろう。
・病院エンド
死人が一番少ないエンド、主人公はもとの世界を取り戻したが、おそらく一生病院に居続けるだろうし沙耶も一人でさまよい続けるだろう。もやもやの多いエンドだが、これがハッピーエンドではないかという人もいる。
・全滅エンド
主要人物が全員死ぬエンド、一般人にとってのハッピーエンド。死闘の末、涼子先生も郁紀も沙耶も死ぬ、耕司も精神が参って自殺。
・開花エンド
人物一人除いて全員死ぬ(?)エンド、主題歌的にトゥルーエンドと思われる。沙耶は消え、世界は郁紀に合わせて生まれ変わる。
一般人にとってこの三つのエンドは同じかも知りません。それでもプレイヤーによってはトゥルーエンドは違ってくる。恋はそんなものだという人は病院エンドを挙げ、世界の変異を嫌うものは全滅エンドを挙げ、沙耶の意思を尊重するものは開花エンドを挙げる。私はよくわかりません。
よく言われることだが、虚淵さんの作品にはバッドエンドしかないと。しかしこの物語の最初の段階からどうやってハッピーエンドに持っていけるのでしょうか?たまに見かける力技でハッピーエンドに持っていく作品は嫌いです。この点では虚淵さんの現実味のあるストーリーは好きです。
[テキスト]
ところどころ普段使われないような言葉が出てきます、フリガナが振られていますが個人的にはマイナス。この点を除けば、基本的には読みやすく理解しやすい文章になっています。
[CG]
背景が暗めのものが多く、本作の雰囲気を見事に表現できたのではないかと思う、
[BGM]
タイトル画面に流れるSABBATHが一番好きでした。本作のBGMは基本暗くホラーっぽくあったが、SABBATHはそれらと違く明るいのだが聞き続けるととことなく憂鬱さも感じることができてなかなか良かったです。
[主題歌]
・沙耶の唄
本作を代表する曲、歌詞は題名通り沙耶が郁紀に向けて伝えたことだろう。ゲームをクリアした後でも印象に残りました。
・ガラスのくつ
さすがに沙耶の唄に比べると遜色するが、とてもいい曲でした。後で知りましたが、この曲は元々本作のために作曲された楽曲ではなく、虚淵さんがこの曲を見つけてきたそうです。
[キャラクター]
登場人物は少なく、CGのあるキャラを全員入れても10人しかいない。その中から気になったキャラについて感想を述べます。
・郁紀
本作の主人公。声優は好きな声優が緑川光さんだという氷河流さんである、へー(棒)。
性格については本作は事故の後について書かれてないので、本来の性格ではないかもしれないが、口数が少なく毒舌な印象がありました。
物語の前半でおそらく果実のようなものが人だと知っても食べるという行動から何となく彼はその状態を受け入れ、元の状態に戻ることをあきらめていたのかもしれない。また、終盤において沙耶に対して人は人のかたちをしたものを簡単には殺せないというような発言をしたところから彼は自ら人であると思ってはいたが、「まぁ、人には見えないから、殺してもいいよね。」的な考えになっていたのではないかと思う。まぁ、実際そんな状態になったらそうするしかないと思うのだが…
中盤の沙耶が鈴見にレイプされるくだりで、沙耶が好きという発言に対して、もし郁紀が鈴見と同じように意識を取り戻した後すぐに視力も元通りになったときに沙耶を目にしたら鈴見と同じような行動を起こさないとは限らないと思う。郁紀が沙耶を好きになったのは沙耶に出会うまでの遭遇が大きく影響しているだろう。
・沙耶
本作のヒロイン。人気が高い。でも正直自分はそんなに好きではない。
・涼子先生
すきすきすき、踏まれたい、足舐めたい。なーんでエロシーンなーいのー。(おこ)
・耕司
結構いいやつだが、報われない。でもこの作品の主要人物の中で報われる人はいたのでしょうか。
・鈴見
ぱっと見悪そうなやつ。沙耶を犯した件については10割沙耶が悪いと思います。
・鈴見の奥さん
きれい、なんで鈴見のようなおっさんと結婚したのかは謎。
[エロシーン]
本作は短いので、エロシーンもそれほどありません。エロシーンはいらない、という人もいるだろうが管理人はそうとは思いません。抜けはしないだろうが、エロシーンは本作のストーリー上欠かせない部分である。
不満点としてはなぜ涼子先生のエロシーンはなぜないのでしょうか、診察するときのCGで涼子先生のエロシーンを期待してましたが遺憾の意を表さざるを得ん。
[システム]
回想がない、と言いたいところだが本作は正直のところあまり抜けないので問題はありません。他は特に問題はなく、快適に使えます。
[おまけ要素]
スタッフコメントがある。シナリオ担当の虚淵さんのコメントが一番見ごたえがありました。ぜひ。
[まとめ]
自分にとっては最初にやった虚淵さんの作品であった。いつか虚淵さんの作品をコンプして記事にしたいなと思っております。
本作は紛れもなく有名作ではありますが名作ではありません、正直この作品をやり終えた後は虚淵さんへの世間の評価に疑問を持ちました。単に虚淵さんはホラーという不慣れなジャンルに手を出したせいかもしれないので、ほかの虚淵作品もいつかやりたいと思っています。
期待外れではあったが、やってよかったと思えました。