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ワーズワースはエルフから1993年にDOS版、1999年にリメイクされたwindows版、2017年にwindows10対応版が発売された商業エロゲである。シナリオライターは蛭田昌人。リメイクされる前のバージョンの画像をネットでいくつか見かけたが、キャラデザについては全くの別人というくらいに異なっていた。
2021年の一月にセールで購入した。エルフは有名なのでいろいろと評判を聞くが、本作についての評判はあまり聞かないので本作はあまり有名じゃないかもしれないので、前情報が皆無の状況でプレイした。今年の3月末から4月の初めからプレイしてクリアした。
本作の攻略サイトで、words worth-MYST というのがあるが、サイトとしてのクオリティも攻略自体の質もよいので、プレイする方はぜひ閲覧してみてください。
公式紹介
…その世界には、地上に住む「光の一族」と地下に住む「影の一族」と呼ばれる2つの部族が君臨していた。お互いの境界線には「ワーズワースの石板」と呼ばれるものがあり、自分達の守り神として崇め奉っていた。しかしその「ワーズワースの石板」が破壊されてからというもの…。
感想
[ストーリー&キャラクター&エンディング]
最初の主人公アストラルはエロゲの主人公らしからぬ優しすぎる性格の持ち主で、かわいいおなごを倒してもなにもしなかった。そして見事なくらいに弱かった。しかしストーリーとレベル上げを進めると、強くなるのがストーリーに現れるので、感情移入ができ、世界観にのめりこむことができた。
ストーリーは大きく影の一族篇と光の一族篇に分けられる。ストーリーは王道的で、予想を大きく超えたものはなかったが、完成度は高く、楽しめた。面白いところとして、影の一族と光の一族が同じような意見を相手に対して持っていることだ。それぞれの視野の狭さを皮肉として描いているのだろう。どちらの陣営にも所属できたプレイヤーにしか気づかないものであった。
ヒロインは四名いるが、デルタはヒロインと思えなかった。まずシャロン。デザインが最高で見た目ではずば抜けてよかったが性格がどうも好きになれない。序盤、優しくて健気な主人公が一生懸命好意を示すもそれに一瞥もくれない様はあまりにもきつかった。また、終盤で手のひら返しで主人公への態度が激変したのも受け入れがたかった。次にニーナ。主人公との子供がいるのでヒロインは彼女でしょう。そしてミュー。正直尺の問題もあり、影も薄かったから、すきになれなかった。また、主人公が影の一族かと疑われたときに距離を置いたのはマイナスだった。
ヒロインについて語るとなると、やはり光の一族篇で数十年ぶりの主人公を主人公だとわかったかどうかがシャロンとニーナの大きな差となったといえよう。しかし、私はそこで新たな仮説を立てたい。それは、「メインヒロインカトラ説」である。みなさん、覚えているのでしょうか、ニーナは主人公と初めて会ったとき、アストラルだと気づかなかったのだ。それに対して、カトラは初めて会ったときに、声だけでアストラルだと気づいたのである。これをヒロインと言わずして何をヒロインというのだろうか。カトラ好き。なんか愛嬌があってかわいいし。
ストーリーは一本道で、最後にヒロインのなかから一人or全員を選ぶことになるが、その後の話は少ししかない。ちなみに主人公が選ばなかったヒロインにはほかのキャラと結ばれる描写がある。今日のエロゲでは考えられない。
[エロシーン&CG]
CGは非常にきれいで、キャラデザもとてもよい。とくにシャロンは自分の今までやってきたゲーム見てきたアニメのなかで一二を数えるくらいだった(性格はあれだけど)。あと、あまり出番がないが、ペルシアというキャラも結構好きだった。
エロシーンはほとんどなかった。本番もニーナと一回したくらいだった。シャロンやミューとはなにもなかった……
[ゲーム性]
本作にはRPG要素がある。最初は楽しめたが、ある程度進めると、作業のように感じる。人によってはここが難点かもしれない。自分はこういう作業があまり嫌いではないし、レベルが上がるとステータスが大きく上がるので、そこに達成感を感じて苦にならなかった。
[主題歌]
主題歌というより、最初と最後にアニメとそれっぽいナレーションがついていたので、妙にわくわくできた。
[おまけ]
自分が購入したDMMのDL版にはワーズワースの人々というシャロンと野々村病院の人々の主人公が登場するおまけシナリオがついている。おまけなのでボリュームは少ない。内容もほとんど忘れてるくらいのものだ。ああ、そんなことはどうでもいい。主人公と本番をしなかったシャロンがまさか別作品の主人公と本番をするとは……野々村病院の人々をプレイしたことがありその主人公にはある程度思い入れがあるので、何とも言えない気持ちになった。NTRをやりたいなら、もっと乱暴なやり方ができただろうし、なぜこうしたのか全く理解できなかった。
[まとめ]
ストーリーは王道的で、CGとキャラデザもレベルが高かった。ゲーム部分は面白いとは言えないが、全体的には楽しめた。