エロゲ日記(仮)

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『腐り姫~euthanasia~』感想

2231字

腐り姫は2002年にLiar-softから発売された商業エロゲである。公式ジャンルはインモラル・ホラーADV。

2021年12月に購入した。ライアーソフトさんのことはかねてより知っていたが、その作品をプレイするのはこれが初めて。ライアーソフトは評価が高く、その中でも腐り姫は白眉の出来だと言われるので、いつか必ずプレイしようと前から思っていた。

伝奇ものに興味がある方にはおすすめ。

DLsite版


公式紹介

父親と妹が心中したことがきっかけとなって記憶を失った大学生・簸川五樹(主人公)は、
夏休みを利用して、義母の芳野とその連れ子で義妹の潤と
生まれ故郷の田舎町・とうかんもりに帰ってきた。
彼を取り巻く家族や友人は、五樹の回復を望んでいたが、
彼自身はあまり乗り気ではなかった。しかし、死んだ妹と瓜二つの少女・蔵女との
出会いによって、彼の心が揺さぶられ、失われた記憶を取り戻したいと思うように……。

 

感想

[ストーリー&キャラクター&エンディング&システム]

記憶喪失になった主人公が実家に戻る話。謎の着物幼女の蔵女の出現で一気に謎が深まり、そして主人公の過去をめぐって旧友たちが不審なふるまいを見せ、ついに町に赤い雪が降り積もり。物語が終わる…と思いきや、本編からはじめるをもう一度選ぶと、今度は少しだけ違う風に物語が展開する…と言った感じのループものである。ループを経るにつれて、主人公と旧友たちとの過去が明かされるが、そのたびに旧友は赤い雪となって消える。先が気になって、気づけば何ループもするほど面白いが、落ちがどうも納得いかない。蔵女が地球外生命体で、主人公も同じ力を手に入れ、二人のみになり、エンディングへ…サブタイトルのサブタイトルのeuthanasiaは安楽死と言う意味だそうだが、赤い雪になるというのが安楽死なのだろうか、みんな主人公への葛藤を解決すれば死んでもいいと思っているのか。最後の鳥居が意味わからんかった。骸骨に寄り添う樹里(?)も意味わからんかった…五樹の立ち絵がシンジ君に見える。最後の赤い地球を他の星から眺めるシーンも既視感があった。エヴァンゲリオンを意識しているのだろう。

主人公と蔵女が迎えるエンディング以外に、主人公が他のキャラと迎えるエンディングもある。真実にたどり着けなかったが、主人公にとって何が正解なのかわからないので、安易にハッピーエンドやバッドエンドという風に言えないが、どれも赤くなる背景が印象的だった。その中でも、青磁とのエンドはホモっぽかった。

暗い話なので登場キャラは表向きに明るくても裏がある奴ばかり。諸手を挙げて好きになれるのは潤くらいだ。メインヒロインは樹里か蔵女だろうが、樹里よりも蔵女のほうが重要なキャラで、人気がありそうだが(というか樹里を好きになる要素がないだけでなく出番もあまりない)、自分は着物幼女が苦手なので、セーラー服の樹里のほうが好きだったりする。そんな樹里も間接的な描写ばかりだったのが残念だ。

本作は本編からはじめるを選ぶと違う話になるので、セーブデータは普通のエロゲよりも使えない。そのため、攻略が少々めんどくさい。一度見逃したシーンを見るには記憶を消すという選択肢を選んで最初からやらなければいけない。

[エロシーン&CG&音楽]

キャラデザはあまり好きじゃない。しかし、背景の中に置かれたキャラはSDキャラと同じようなかわいさがあった。この背景にキャラを置く手法がよい雰囲気を醸し出した。主人公らが話しているときに蔵女があたりを走り回るのを表現できただけでも評価に値する。どうやらこれはエルフの過去作を参考したようだが、どの作品のことだろうか。

シナリオゲなのでエロシーンに実用性はないが、エロシーンがストーリーと強く結びついてる作りとなっていて、公式がインモラルと銘打っている上に、やけに長く、その描写にも力を入れてるので、キャラ同士の関係性を考えると、それがいかに煽情的なものであるかわかる。

初回起動時に見せられるオープニングをはじめ、本作の音楽はどれもよかった。音楽鑑賞で聞き返してどの曲がよかったか思い出そうとしたが、どれも印象的で物語の雰囲気をうまく引き立てた。なので強いて言えば、盲点を除くすべてかな。

[おまけ]

設定で本編の区切り目のところに盲点というおふざけコーナーを入れることができる。自分は二週目からありにした。内容はいろんなテレビ番組のパロディ。時代を感じる…自分は大体なんとなくわかった。

音楽鑑賞の最後には警告音声というものがあり、ボイスドラマ形式でCDプレーヤーだのPCだのの話をしていた。自分にはよくわからなかったが、勝手に時代を感じた。

トゥルーエンドを見ると、狐の嫁入りというおまけシナリオ的なものが追加される。これもおふざけ。

[まとめ]

退廃的な主人公、不気味な蔵女、キャラを背景に置く画面構成、見知れた町を覆う一面の赤い雪、そしてこれらを引き立てる音楽と演出、本作の独特な雰囲気の出来はエヴァンゲリオンを想起させるほどのものだった。序盤はその面白さに引き込まれ、熱中してプレイすることができた。しかし、本作の終わり方がシナリオゲとして見逃せないほどに雑だった。序盤夢中できたのは貼られていた伏線をどのように回収し、物語を円滑にエンディングへと導くのかに対しての期待があったからといえる。こう考えると、全体的な評価は序盤までのそれから大きく減点されるだろう。