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紹介
基本情報
MinDeaD BlooD〜支配者の為の狂死曲〜は2004年にBlack Cycから発売された商業エロゲである。
2006年にリメイクのDVD Special Edition、
2010年にさらにリメイクされたComplete Editionが発売された。
自分は支配者の為の狂死曲とファンディスクである麻由と麻奈の輸血箱の入ったComplete Editionを購入した。
ライターは和泉万夜。
公式ジャンルは吸血感染アドベンチャー。
購入時期や事前情報
2021年10月に購入した。ブラックサイクの作品なので。
おすすめポイント
ボリュームがあり、マルチエンディングが印象的な完成度の高い作品だった。
リンク
公式紹介
本土西端の海上に建設された人工都市『千砂倉』――。
それはバブル絶頂期に計画され、そして頓挫した一大アミューズメントパークを利用し、
高級リゾート地として整備した街である。街の中央部には、『佐伯邸』と呼ばれる洋館が建っており、七瀬しずるはその地下で目を覚ました。
まどろんだ意識の中、ふと気付けば自分に寄り添う二人の美少女、麻由と麻奈――。
しどけなく裸体をさらした彼女達に、しずるは血を吸われ、そして肉の快楽を与えられた。自分は誰なのか……。
何故、こんなところにいるのか……。いくつもの疑問は、溶け込むように魅惑的な血の香りと、快楽的な衝動によって打ち砕かれた。
過去の記憶など思い出したところで意味はない。
『せっかく吸血鬼になったんだ。それなら吸血鬼の愉しみ方ってもんを、味わわせてもらうまでだぜ』
不死身の肉体を手に入れたしずるは、そう言ってほくそ笑んだ。
時を同じくして、一人の少女が千砂倉の街に足を踏み入れた。栗色の髪と、血のように赤い眼。
まだ幼ささえ残る容貌とは不似合いな、憎悪と殺意に満ちた声がこぼれる。『吸血鬼は――全て排除する――!』
見えない糸で繋がれた、『奪われた者』と『与えられた者』。
やがて二人は出会い、物語の幕が開く。それは敵としてか、それとも――
あたかもその結末を知っているかのように、一本の桜の樹がざわっと風に揺れ、血のように赤い花びらを散らした……。
感想
ストーリー&キャラクター&エンディング
しずると麻由麻奈の二つの駒を各ターンいろんな場所に配置して、そこで起こるイベントを見ていく感じで話が進む。難易度が高く、自力でクリアするのはほぼ無理かも。イベントの数が多く、また、サブキャラの掘り下げがちゃんとされており、エロシーンが終わればポイ、ではなく、その後が描かれていたり、分岐に絡んできたりと、やりこまないと分岐できないかと。
また、本作はマルチエンディングであるが、その多くはよく作りこまれており、他の作品であればトゥルーエンドと言えるようなエンディングが複数あった。途中でキャラの視点の切り替えがあったりと、物語に厚みが生まれた。あるルートでは、しずるよりも悠香が主人公ではないかと思うシーンもあった。
印象的なエンディングは、過去への贖罪と未来への旅立ち。ハッピーでない後味のいいエンディングはなかなか見ない代物である。
サブキャラの掘り下げがちゃんとあるというだけで他の多くのエロゲより優れているといえるが、本作のストーリーを攻略していくと、ブラックサイクの別作品である、『EXTRAVAGANZA~蟲愛でる少女~』を思い出す。魅力的なサブキャラや複雑な分岐に作りこまれたマルチエンディング。ダークな世界観に能力者バトルの設定を考えると、益々両作品が似ているように思えてくる。
私はMinDeaD BlooDより断然EXTRAVAGANZAのほうが好きだ。こう感じる理由を自分なりに考えた結果、二つあると分かった。
一つはストーリーの入りのせいだ。本作の序盤だけを見ると、よくある抜きゲにしか見えません。大した説明もせずに、吸血鬼がそこら中で獲物を探して犯すわけですから。シナリオの良さがわかるのは中盤以降であるが、前述したように、本作の攻略は難しく、なかなかストーリーに集中できません。
二つ目に本作のゲームシステムである。EXTRAVAGANZAは分岐による枝分かれを目視できるチャートでゲームを進めるので、話が入って来やすかった。選べなかった分岐もその近くでうろちょろすればいずれそこにたどり着ける。一方で、本作の分岐条件はシビアであるように思う。それぞれのエリアの数値も気にしなければいけないので、もちろん周回前提でそれぞれのサブキャラの特徴も覚えなければいけない。不親切と言えよう。
総じていえば、本作のシナリオはよく出来ているが、見せ方に少し難があった。
エロシーン&CG
絵に関しては、良くも悪くもないって感じだった。抜きゲとして見るなら物足りないが、同時代の作品と比べると、ってか、同じころのブラックサイクの作品と比べても絵が良く感じられたのはなぜだろうか。
エロシーンに関しては、ほとんどは凌辱と快楽堕ちで、グロはブラックサイクにしては少なかった印象を受ける。また、世界観が世界観なので、グロシーンもそこまで緊張感がなかった。ほかにも、ふたなり、TS、輪姦、ショタ、人妻、スカトロ、触手などといろいろ網羅している。
音楽
OPはデンカレのvampire。
他にもデンカレによるOPやEDが複数ある。
おまけ
いつもの謎のミニゲームが二種類ある。
CompleteEditionの特典として、ミュージックデータ『MinDeaD BlooD Maxi Single』が同梱されている。
公式サイトで攻略のヒントや人気投票などが掲載されている。
まとめ
抜きゲと思わせるようなシナリオゲ。ルートとエンディングがよく出来ているが、ルートに入るまでがきつい。