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紹介
基本情報
カルタグラは2005年にInnocent Greyから発売された商業エロゲである。
同年にPS2に移植された。
2023年にリメイク版であるREBIRTH FHD SIZE EDITIONが発売された。
購入時期や事前情報
2023年11月に、アキバで購入した。初回限定版だったりする。
殻の少女シリーズは昔から知っていたので、そろそろ手を出そうと思っていたところ、本作カルタグラが、前作に当たるのを知って、購入した次第。
殻の少女や本作は京極夏彦作品から影響を受けてると聞くので、購入前から何作か読んだ。また、本作の冒頭をプレイしたころはちょうど『狂骨の夢』を読んでいたが、妙に似てるシーンがあったため、11月中に一度プレイするのを中断し、読了後にまた再開した。
結論から言えば、一部設定を参考したり雰囲気が大変似ていたりするが、本筋はオリジナルなので、京極夏彦ファンにはおすすめかも。
おすすめポイント
絵や音楽のクオリティが高く、雰囲気の良い硬派のシナリオゲ(グロ表現あり)。
リンク
公式紹介
――それは、妄執と狂気に至る愛。
昭和二十六年二月。終戦から六年が過ぎた日本。
――逗子行きの列車に一人の男の姿があった。 高城秋五、かつて警視庁に籍を置いていた男。
秋五は退職した自分が何故、逗子くんだりにまで向かうことになったのか、膝の上に置いた
新聞の見出しを見て、眉を顰めてしまう。
【娼婦連続猟奇バラバラ事件】
日本では類を見ない件の事件を、かつての上司、 有島一磨が担当していたことから、この逗子行きが
決まったと言っていい。
「頼まれてくれないか?」
長沙、満州、警視庁でも上司であった、彼の頼 みを断ることは出来ない。 任された仕事は、良家息女の失踪事件………。
――失踪事件のあった上月家で、もう会えない と思っていた恋人、上月由良と全く同じ顔を持つ女性、上月和菜と出会う。
そして消えた姉を 捜し出して欲しいと懇願される。
だが……… 上月夫妻は、秋五へと告げた。 「由良は失踪などしていません。既に亡くなっているのです……」
交錯する虚構と真実。 上野の町を舞台に、今、惨劇の幕が開く――。
感想
ストーリー&キャラクター&エンディング
設定が面白そうなシナリオゲというのが本作に抱いた第一印象だったが、実際、冒頭の演出もなかなかのもので、本作の舞台である戦後間もない再建前の日本も乙なものだ。BGMを聞きながら、そんな街を行く人々を眺めるだけでも楽しめそうだ。
しかし、ストーリーに関しては、あまり楽しめなかった。理由は二つある。
一つ目は、ストーリーに盛り上がりが欠けているところ。主人公はこれと言って推理らしいことはせずに(推理らしいところは一か所のみ)、妹の七七がほとんどのことをやってくれる。妹と主人公を一人のキャラに統合したほうがいいんじゃないかと思った。主人公にいいところがあまりなかった。また、展開に関しても、猟奇的な死体こそあるものの、それ以外に驚きを感じることはなかった。
二つ目に、リメイクで追加されたエンディングのせいでメインルートがぶれたところ。確かにメインルートだけを見れば、凛や楼子はかわいそうではあるが、実際私も凛が一番かわいいと思っていたので、少し悲しくなったが。追加された個別エンドのせいで、和菜や由良への言及が少なくなり、由良の捜索をあっさりと諦めていたりと、本編の緊張感が損なわれた。(眼帯の凛のビジュは最高だけどね)凛はそういう運命であるとそのままにするのもいいじゃないだろうか。また、凛、楼子、冬史ルートのせいで、主人公のクズ男感が一気に増して、最後の、和菜と由良の中から片方を選ぶという状況になっても、全くなにも感じられなかった。
どのみち、七七というキャラが大変扱いにくかったのではないだろうかと邪推してみる。
それでも、最後の和菜と由良のエンドはよかった。特に由良は出番が少なかったにも関わらず、一気に和菜を追い抜いたよ。
エロシーン&CG
絵がいい。戦後間もないころが舞台なので、開発の進んでない街に和服と洋服の人々が入り混じり、遊郭にシスター、雪にバラバラ死体と。雰囲気が最高だった。タイトル画面が二回変わるのもよかった。
絵はアニメ調ではなく、リアルよりで、冒頭の由良のシーンで一気に心を掴まれてしまった。
追加シーンの立ち絵などはぱっと見で他と違うことはわかるが、そこまで違和感はなかった。冬史の割烹着はシュールだったけど。
また、グロイシーンがいくつもあるが、ちゃんと描写されていて好感が持てた。乙羽のとこが一番良かったな。
シナリオゲにしてはエロシーンの数は多い。凌辱はほとんどないが、それでも絵はいいので、エロとは関係なしに楽しむべきかと。
音楽
どれがいいと聞かれたら困るが、全体的によかった。
おまけ
初回限定版には、OSTや短編小説などがついてる。
あと、パッケージがいいよね。
まとめ
雰囲気が最高だった。ほんっとに最高。音楽と絵に関してはトップクラス。
それだけに、ストーリーがいまいちだったのが悔いやまれる。すごくひどいというわけではないけどね。