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紹介
基本情報
闘神都市Ⅱは1994年にPC98向けに、1997年にwindows向けに、アリスソフトから発売された商業エロゲである。
現在はアリスソフト配布フリー対象となっており、無料で入手できます。「鬼畜王 on Web」と「鬼畜王 on Chrome」というサイトを使用すれば、PCやスマホのブラウザでプレイ可能です。具体的な使用方法はググれば出てきます。
後日談として非18禁の「闘神都市II そして、それから…」が1995年に同社から発売された。こちらは配布フリー対象ではなく、入手やプレイするのが困難ということもあって、自分は所持してません。
本作のリメイクとして、2014年に3dsで「闘神都市」がイメージエポックより発売された。もちろん全年齢向け。こちらは2018年7月に購入したが、冒頭のみをプレイして、今積んでおります。いつかクリアしたいものだ。その際は本ブログで感想記事を書きたい。
購入時期や事前情報
無料なので、購入というわけではないが、入手し、プレイしたのは2018年7月だった。
2018年7月、学園生3年生だった駄島は積もりに積もった受験のプレッシャーやストレスによって打ちひしがれていた。3年生になる前はいいところに行くぞと意気込んでいたが、いざ3年になって、新しいクラスの周囲の「出来る」やつと恐ろしい進度の授業を目の当たりにし、珍しくもお利口に潔くあきらめることを選んだ。これが理由でのちに浪人したことについては以下の記事で軽く触れた。同時期の日記とか見てもわかると思う。
とはいえ、1年間を虚無の中で過ごしたわけではない。学園での苦行を終えたのち、周りのやつらはもちろん家に帰っても勉学に励むだろうが、駄島がすることはもちろん現実逃避である。学業からの逃避と同時に、二度と戻らない青春が過ぎ去っていくことから目を背けることもあったように思える。学校からの帰路で「結局3年間、女子と二人きりで帰ることはついにできなかったな」と。
その年の4月と5月頃に上記のキミトユメミシをプレイした。普段キャラゲは全く触らないというのにね。
そんな中、7月頃、テスト期間だと記憶しているが、詳細は覚えてないが、闘神都市Ⅱのことをネットで知った。どうやらその時の自分は何が何でもプレイしたいようで、一度フリー配布のものをやろうとしたが、それがうまく起動しないとわかると、テスト期間の終わりである金曜日の昼(テスト期間は早く帰れる)に近所のゲーム屋を一通り訪れ、ついには某苗字+電気の家電屋で3dsの闘神都市を見つけたのであった。結局、その夜にPCで闘神都市Ⅱを起動できたがね。その時の自分に上記したブラウザでできるサイトを教えたいがね。
って感じで、わたくしは金曜の夜から日曜の午後まで本作をプレイし、クリアした。今となってはいい思い出だ。
おすすめポイント
90年代のゲーム性のあるエロゲでありながら、今日でも通用するくらいの完成度で、もちろん絵柄は90年代のアニメを思い出させるようなクオリティだが、王道でいて飽きさせないゲーム性とエロゲのみに可能な予想外なストーリー展開と独特で中毒性のある個性的なキャラクターが魅力的だ。無料なので、時間があればぜひプレイしてほしい名作である。
リンク
公式紹介
なし
感想
ストーリー&キャラクター&エンディング
プレイしたのが4年ほど前で、ボリュームのあるものなのでもう一度最初から最後までプレイするのは時間が惜しいため、当時の記憶を探りながら、ネット上で関連する動画を見て思い出したことを感想として記す。悪しからず。
無印の闘神をプレイしたことはないが、直接的なつながりはないようだ。
闘神都市という名の町があり、そこでは毎年一番強い人、つまり闘神を決めるためにトーナメント形式の闘神大会を行う。参加者は女性のパートナーを連れて参加するが、負けるとその女性パートナーは負けた相手に1日間自由にさせられてしまう。闘神となった人は闘神都市の中で法律などをみな無視して好き放題できる。そして本作の主人公シードは瑞原道場で修行をしており、そこの道場主の娘の葉月と両想いだが、道場の跡継ぎにするにはシードは弱すぎた。葉月と結ばれるためにシードは闘神大会に参加した。
というのが世界観の設定と物語の導入だ。「女性パートナーを一日間好きにできる」という部分を除けば、王道なRPGという感じだ。
しかしストーリーは闘神を目指すところと闘神になってからの二部に大別できる。闘神になるのが終点ではないのだ。闘神になるまでなら確かに少しエロい要素のある王道なゲームでこれはこれで十分な良作だが、本作の真髄はむしろ闘神になってからだ。それまでにも純粋で気弱な少年シードに人間性を破滅させるような選択が迫られたこともあったが、これはプレイヤーの選択次第で回避できる。今度は逆レイプから「天使食い」となり、地獄を探索して堕天使の手先に余儀なくなってしまうのであった。その状態で本格的に悪事を働くことと向き合うことになる。天使を犯すシーンに罪悪感を感じたのは自分だけではないはず。しないことも選択できるが、天使を犯せば(天使は消滅)大きく能力が向上し、攻略上とても助かる…
じゃあ本作はそれ以降ダークな調子で進むかというとそうではない。本作のヒロインの葉月の存在が大きい。正統派ヒロインはあまり興味がないが、葉月はダーク調なストーリーによってその健気さが引き立たせられ、とても魅力的に映る。
まず、中盤では、ビルナスのNTRがあるのではないかと幾度もひやひやしたが、ビルナスはいいやつでした…そして終盤に近付くにつれ、葉月にも魔の手が伸びるかという考えが徐々に助長され、ついにはそういう事態にはならなかったが、暴走したシードを優しく受け入れる葉月。目を覚ましたシードは無事な葉月を目にして…という感じに終わる。やっぱり王道じゃないか。喜ぶべき王道だ。完ぺきな王道RPGだ。そして18禁の部分も見事に本作のダークさを演出した。まさに名作だ。
葉月の他にも魅力的なキャラが多数いる。シードの姉貴分のセレーナは最初好きじゃなかったが、調教済みからの実は正気を保っていたで惚れた。カラーのクライアのくだりもよく覚えている。どう足掻いてもみじめに死ぬというのは衝撃的だった。面白いキャラとして、ダイアナが真っ先に思い浮かぶ。愉快なキャラだったので、ダンジョンで出会うとテンションが上がった。主人公以外の闘神のカーツウェルも幻杜坊もクランクも三者三様でそれぞれいいキャラをしていた。
最後に、本作にはほかのアリスソフト作品のキャラが出ているので、その辺の世界観が気になるところだが、もっとアリスソフトの作品をプレイしてから、考察などを漁りたいものだ。
エロシーン&CG
絵は90年代のアニメ調といった感じ。本作も90年代だが。
ただ、葉月は今見てもかわいいキャラデザをしている。不思議なもんだ。
エロシーンは純愛2割、凌辱8割といったところだ。細かいコマンドを選びながら進む感じ。さすがに古くて実用性はない。
ゲーム性
基本的には1対1のターン制バトル。本作の大半の時間はダンジョン探索に費やされる。戦闘はターン制バトルなので、特筆すべきところもないが、ダンジョン探索中に様々なイベントが起き、そこで多くの魅力的なキャラと出会うことで飽きさせないようにしている。また、敵キャラもアリスソフトらしく、ふざけたものやパロディが満載なのであった。隠しボスも複数おり、やりこみ要素も充実している。
ちなみにレベル上げは手動。
まとめ
成長する主人公、王道な導入と飽きさせないゲーム性、魅力的なキャラ達、中盤以降エロゲらしさが生かされたダークな展開、最後まで健気なヒロイン…20年以上たった今やっても十分楽しめる名作だ。
10年以上経ってから発売された続編である闘神都市Ⅲを持っているが、あまりいい評判を聞かない一方で、本作の出来の高さゆえに期待を抱かざるを得ない。